2012年12月1日土曜日

タイで買ったSIMフリーiPhoneがxxだったお話

タイで買ったSIMフリーiPhoneがxxだったお話

※本ブログは6月末で他サイトに移設する予定です。これまで閲覧ありがとうございました。
[note] this blog is planed to be moved to other site until end of June. See you in there

タイという国には工業製品を新規に立ち上げる技術もなくその意思もないが、他国が作った工業製品を利用して生活を楽しんだり生活の糧にするような技術と意気込みは素晴らしい、と私は思っています。



今流行りのSIMフリーiPhoneについても、キャリアが扱う正規品からMBK(日本でいう携帯屋が100件以上集まっているモール)で扱う改造品や輸入品まで、消費者にとっていろいろな選択枝を用意してくれています。

今回タイのパタヤにあるITセンタで手に入れたSIMフリーiPhone3GSについて、いろいろ情報を得たり、悪戦苦闘したりしました。その顛末を書いてみたいと思います。

現地で実物を見るまで買う気は毛頭なかったが。。。

iPodを3台、iPadを5台持っていていろいろ活用させてもらっていますが、iPhoneは1台もない。電話機能は必要ないと思っていたからです。

そういうわけで、タイの携帯売り場では、娘のiPad用のカバーなどを物色しながら、iPhoneやiPad、 iPad-miniの値段をチェックしたりしていました。

iPhoneの値段は日本が(恐らく)世界一安いので、わざわざ外国で買うつもりなどなかったのです。実際、タイのキャリアが扱う正規品(SIMロック、デバイスロック)だと

  • iPhone5:28900Baht(78030円)、(16G、以下すべて同じ)
  • iPhone4s:18900Baht(51030円)
  • iPad-mini:13900Baht(37530円)
  • iPad4:16500Baht(44550円)


していました。ほかにも、香港から輸入したSIMフリーのものが売られていますが上記のものより値が張ります。Amazonなどでも実際そうした値段で出ています。iPhoneはどの世代であっても出てすぐにはどれも10万円以上してたように記憶しています。

そうこうしているうちに目に止まったのが、「iPhone3GS(8G)」とパッケージに油性マジックで書かれた黒モデル。帰国するまで日本でも売られていることを知らなかったですが、8GBモデルというのがあり、「それなら多少は安いんだろうな」と思いました。それが悪夢の序章。

「これSIMフリーですか」
「そうです」
「いくらですか?」
「7000B(18900円)です」
「高いね。もっと安くできない?」
「いくらにしたいの?」
「5000B!」
「それは無理。6500BならOK」
「わかった。ありがとう」

そう答えて、一階のスタバで頭を冷やしてから戻り、

「6500Bでいいや。白モデルある?」
「ありますよ」
「それ頂戴」
「毎度あり~」

とは言いませんでしたが、自分が持っていた現地SIMを使ってアクティベートしてもらい、ホテルの部屋に帰って、持っていた現地SIM 3種で通話チェックしてみました。すべてOKで、インタネット接続もできます。テザリングもできそうです。

「SIMフリーのiPhoneが手に入った」

その時は、こんなに安いSIMフリー機が手に入るとはなんとラッキーなことだろうと思ってました。

帰国早々OSアップデートしてしまい、それから悪夢が始まった

iPhoneはiPodやiPadと一卵性双生児のように中身はほぼ同じだが、致命的な違いがあります。SIMがないとOSをUPDATEできないということ。

実際、私が持っている初代iPadでは3G対応で解約するときUPDATEできない旨説明されたのでそれは認識していました。

ですが、実は微妙に違っていたのです。SIMがないとOSアップデートできないのではなく、SIMがなくてもOSのUPDATEはできるがアクティベートができないのでした。しかもアクティベートできないからといってUPDATE前のOSに戻すこともできず、それこそにっちもさっちもいかなくなるのでした。

帰国してから電波のいいDocomoSIMを刺して快適に使えていたiPhone3GSは、OSのUPDATE前後で豹変しました。「SIMフリーなのでDocomoSIMがあればなんの問題もない」と考えていた私にはそれこそ晴天の霹靂でした。

アクティベートできないのです。初期化モードにして何度やってもアクティベートできない。工場出荷状態から何度始めても「アクティベートできませんでした」のメッセージ。サーバがBusyだとか、どこに原因があるのか全く不明なメッセージが出てきます。


こういうときは、何はともあれ、グーグル先生に相談する

今回のこの状況をネットで検索してみると、いろいろ出てきます。
  • DocomoSIMでもSIMフリーに対応しているものとそうでないものがある
  • SIMフリーのものを買ってきてOSアップデートしたら動かなくなった。実は改造版(脱獄したもの)をつかまされたとわかった
  • OSのバグで「サーバがBusyでアクティベートできませんでした」が出る
  • SIMフリー機のアクティベートには日本のキャリアのSIMは必要ないが、iPhoneサポートキャリアのSIMでないとできない。
  • SIMフリー機が動かないのでアップルストアに相談したら交換してもらえた
などなど。

最初は「また海外にいったときにでもクレームを付けるか。でも先方は覚えてないだろうな。レシートも貰ってないし」と半分諦めていました。でもネットの情報で、アップルサポートは全世界で使えるのだと思い出しました。

アップルサポートで聞いてみる

アップルサポートに電話すると20分ほど待たされてやっとつながりました。「海外で買ってきたSIMフリー機にいろいろなSIMを刺してつかっているがアクティベートできない」旨伝えると丁寧な対応で好感が持てました。でも、いろいろやってもらっている最後の方で、「3GSは発売から2年経っておりすでにサポートを終了している。本来この電話もサポート対象外です」と告げられました。8GBのものは現在でも生産?して発売しているので厳密に言えば正しくないけれど、そのときは日本では8GBのモデルを扱っていないのだろうと納得しました。

次に、アップルサポートからアップルストアを紹介してもらい翌日電話してみました。丁寧な応対で驚きました。ipad,ipod,mac等10台近くもっているのにこれまでアップルサポートもアップルストアも使ったことがなかったのです。

アップルストアでジーニアスに聞いてみる

渋谷店でジーニアスに予約して翌日行ってみました。

「このモデルは日本では稀少なので在庫があるかどうか。これから確認してみます」
「了解しました。よろしくおねがいします」
「やはり日本にはないですね。そうなるとオークション等でこれと同じモデルを手に入れるかする位しか方法はないと思いますよ」
「そうですか(これって、同じモデルを買えということなの?だったらわざわざ相談しないのに。。。)」

そうこうしているうちに、店舗用iphone?を忙しく操作しながら対応してくれていたジーニアスが、

「同じモデルが国内にありそうです。ちょっと詳しく探してみます」

とのこと。このとき、ジーニアスが天使に見えました。

「交換可能になるまで少しお待ちいただけますか?」
「交換までざっくりとどれくらいかかりまでしょうか?」
「ちょっとわかりません」
「ざっくりでいいです。1年なのか、半年なのか、3か月なのか、1か月なのか
でいいです」
「3ヶ月はかからないと思います」
「そうですか」
「もう少し詳細を確認してみます」

このとき私は「すばらしい!」と感動していました。ネットで調べた通り、

  • SIMフリー機が動かないのでアップルストアに相談したら交換してもらえた

が本当だったから。

でも、このあと1つ目のどんでん返しが。

しばらくしてジーニアスが戻ってきて、

「実は大変なことが分かりました。このiPhoneはSIMフリーではなくAT&TのSIMロックがかかったものだったようです」
「そうですか」
「なので日本では紐付できないので何もできないことになります」
「分かりました。いろいろ調べていただいてありがとうございます」

そうなんです。本物のSIMフリーではなかったのです。正規?のSIMフリーではなく脱獄したSIMフリーだったようなのです。


AT&T機とわかってほっとした

買った当日、なんとなく、「SIMフリーではなく、SIMロックされたモデルを脱獄したものではないか」と感じていたのです。それは何故か。買ってすぐアクティベートしてもらったときのアイコンの中に、「Cydia」があったのです。それを見たときなにかおかしい感じがしました。また、「Cydia」の隣に中国語らしき文字のアイコンが最後に置かれていました。(以下は脱獄後にやっと取り出せた買った直後の画面スナップ)


「香港版なのかな」

そのときはそう考えました。パッケージも破く必要がありましたし、本体に貼られている粘着テープのようなものも、iPodやiPadで見覚えのあるものでした。

だから、「ひょっとしたら改造版でないか」という確証がいろいろ出てきていたにもかかわらず、そうは思いませんでした。(自分にとって)都合のいい方向に解釈していたようです。

でも、このときひとつ、大変な情報を得ていたのです(2つ目のどんでん返し)。

それは、AT&TにSIMロックされたiPhoneであること、です。これであとで一喜一憂することになります。

ネットを調べると、他キャリアのはできないが唯一AT&TのiPhoneはファクトリで(正規に)SIMロックを外すことができるとあったからです。

AT&TにSIMロックを外してとWEBで申請する

そうなんです。AT&Tは1、2年前から宗旨替えして、SIMロック(デバイスロックともいう)を外すサービスを行っていたのです。いろいろ条件はありますが。タイで買ってきたものですから条件を満たすかどうかは不明です。とりあえずWEBにアクセスしてSIMロックを外してもらえるように情報を出しました。

情報を出してから1週間たった位のときに、ネットで「回答が来るまで6日から2、3週間かかるらしい」という情報を入手していたので、

「そのまま待つしかないか。もしダメでも有料でSIMロックを外してもらえる業者もあるらしいのでなんとかなりそう」

と気長に待っていました。

AT&TのSIMカードでアクティベートさせてみる

でも、

「待てよ。AT&TのSIMロックということはAT&TのSIMさえあればアクティベートはできるんだよな」

と考えてAmazonでSIMを取り寄せました。

特急で取り寄せたSIMカードでしたが、結構苦労してSIMカード自体のアクティベートが成功しましたが、結局3GS本体はアクティベートできませんでした。「SIMカードがインストールされていません」と出てきます。

SIMカードのトレイが機械的に壊れているのかと、ネットの情報を頼りに開けてみましたが、ここで大変なことが分かりました(3つ目のどんでん返し)。新品とは真っ赤なうそで、内部の金属部分には指紋というか手の油がびっしりで、一見して改造したものと分かりました。


分解方法についてはこちらを参考にしました。

AT&TからSIMロック解除に関する回答が来るまで脱獄してみる

ハード的に改造されているとわかったとなると、すべての前提が崩れます。ソフト的な改造だけだとネットで調べられる範囲で8、9割は想像がつくのですが、ハード改造だと「何が起こるかわからない」ことになります。

こうなるとあと残されているのは、脱獄しかありません。今回私が3GSに対してUPDATEした最新OSの6.0.1で「紐なし脱獄」ができるのは旧ブートROMの3GSだけだそうですが、私のは新ブートROMでした。

結構時間を掛けて脱獄に成功しました(なにをもって成功というのかわかりませんが)が、アクティベートが必要ない代わりに電話機能は使えずSafariも使えません。音楽を聴いたりビデオを見たり等には使えます。今もっているipodと同じ、というかそれ以下のものに変身してしまいました。

というわけで、AT&Tからの回答をしばらく気長に待つしかありません。

[追記:2012-12-14]

ATTからの回答が来ました。やはり正規店での購入の確証がないとの理由で、デバイスロックの解除を断られました;


Thank you for contacting AT&T Customer Care about unlocking your iPhone.
We are unable to complete your request at this time due to the following reason:
  • Faxed documentation is ineligible or not received.
You may also check the status of your unlock request by clicking the link for AT&T's Device Unlock Status Portal.

Sincerely, 
The AT&T Customer Care Team 

今回の教訓は?

今回の教訓は、ちょっとでも変だと勘が働いたら徹底して調べるべき、ということ。「変だな」と感じたら大きな行動を起こす前に調べろということです。

今回のことは信用や人命に関わるような重要なことではないのでよかったのですが、自分の勘やら直感を鍛えることの重要性を再認識することになりました。

以上です。長い話を最後までありがとうございました。


[追記:2012-12-28]


本投稿から特にリンクを張っていませんが、この話には後日談があり、ATTのデバイスロックせずとも、脱獄iPhone3GSが奇跡の復活を果たしました。詳細は別投稿にあります。

[追記:2013-01-06]


 
現在またパタヤ滞在中ですが、脱獄iPhoneをSIMフリー機と称して売っているTUK-COMの携帯屋をたずねてみました。並んでいるiPhoneはどれもキレイにWRAPされていて一見新品のように見えます。
でも今回のことを経験した私からみると、「恐らくこのあたりの携帯屋の売ってるのはすべて改造品だろう」と思いました。「新品か中古か、どちらがほしい?」と聞かれるけれども、真意は「新品に見えるものと中古に見えるもの、どちらがほしい?」と聞いてるのだと。よく見るとやはり細かいところが新品とはいえないように見えなくもないです。
「これは中古でなく新品か」と店員に聞く私の隣で、ファラン達がそれらの値段を聞いてます。ちょっと可哀想。
私の想像ですが、そこで売っている人も実は改造品かどうかのところはよく知らないのでしょう。日本の量販店もそうですが、店員総体でなく店員個人で見ると持っている製品知識のばらつきが著しいので、コレも仕方のないことかと。
あと、WRAPしたiPhoneに「新品」ではなく「オリジナル」と書いてあるのは、どういう意味なんでしょうね。

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